一日一曲(1823)ウェーバー、カール・マリア・フォン:ピアノソナタ第2番変イ長調
没後200年(1826年6月5日没)を迎えらえたドイツの作曲家、カール・マリア・フォン・ウェーバーさん特集の三日目です。
【カール・マリア・フォン・ウェーバー:激動のオペラ界に革命をもたらしたドイツ・ロマン派音楽の若き先駆者】
第3日:プラハ歌劇場の頂点へ、そして生涯の伴侶との出会い
1813年、26歳になったウェーバーは、崩壊の危機に瀕していたプラハのスタヴォフスケ劇場の音楽監督に就任します。ここで彼は、かつてブレスラウで成し遂げられなかった理想の歌劇場づくりへ本格的に着手しました。楽員の増員や給与の改善、徹底した猛リハーサルの導入など、現代の歌劇場にも通じる先進的なシステムを次々と確立していきます。多忙を極める職務の傍ら、創作面でも充実期を迎えました。特に1816年は、生涯の最高傑作の一つ数えられるピアノソナタ第2番を完成させています。さらにプライベートでは、このプラハ歌劇場に歌手として招聘したカロリーネ・ブラントと運命的な恋に落ちました。気性の激しいウェーバーを深く理解し、精神的に支え続けた彼女との出会いは、彼の人生に最大の安らぎをもたらします。当初は結婚に猛反対していたカロリーネの母親を説得するため、ウェーバーは音楽家としての社会的地位をさらに高める必要に迫られました。プラハでの目覚ましい成功と愛する人との出会いは、彼を次なる最高峰の舞台、そしてドイツ・ロマン派音楽の頂点へと押し上げる強力な原動力となったのです。(539字)
【本日のご紹介曲:ピアノソナタ第2番変イ長調Op.39(1816年作曲)】
プラハ時代の最後に完成した、ウェーバーの4つのピアノソナタの中で最も美しく華麗な最高傑作です。ウェーバー自身が並外れた大振りの手の持ち主で、ヴィルトゥオーゾ(名手)として名を馳せていたため、高度な演奏技術が求められる非常にダイナミックな作品となっています。のちのシューマンやショパン、リストといったロマン派の巨匠たちに計り知れない影響を与えた、ピアノ音楽史上極めて重要な名作です。
【聴きどころ】
1)優美さと力強さが織りなす極上のメロディ
第1楽章の冒頭から、トレモロに乗せて流れるような、ため息が出るほど美しい旋律が奏でられます。そこから一転して劇的で情熱的な展開へと移り変わるドラマは、聴き手を一瞬で虜にします。
2)息をのむほどにドラマチックな緩急の対比
抒情的な第2楽章と、激しいスケルツォである第3楽章の対比が鮮やかです。特に第3楽章の、狂おしいほどに激しく、鍵盤を激しく駆け巡るピアノの響きは、ウェーバーの胸の内にある情熱の激しさを物語っています。
3)ピアノが真珠のように転がる、華麗極まるフィナーレ
最終楽章(第4楽章)は、まるで真珠が転がるような軽やかで美しいパッセージが連続するロンドです。溢れるような色彩感と圧倒的な推進力を持って、華やかに締めくくられます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ウェーバー、カール・マリア・フォン:ピアノソナタ第2番変イ長調
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