一日一曲(1824)ウェーバー、カール・マリア・フォン:華麗なロンド変ホ長調
没後200年(1826年6月5日没)を迎えらえたドイツの作曲家、カール・マリア・フォン・ウェーバーさん特集の四日目です。
【カール・マリア・フォン・ウェーバー:激動のオペラ界に革命をもたらしたドイツ・ロマン派音楽の若き先駆者】
第4日:ドレスデンでの栄光と、ドイツ・オペラの歴史を変えた金字塔
1817年、ウェーバーはついにドイツ音楽界の要職であるドレスデンの宮廷歌劇場音楽監督(カペルマイスター)に任命され、念願だった歌手カロリーネとの結婚も果たします。当時のドレスデンはイタリア・オペラが圧倒的な権力を握っていましたが、ウェーバーは「ドイツ人のための、ドイツ語による真の国民オペラ」を確立すべく、孤独な戦いを始めました。その情熱が結実したのが、1820年に完成し、翌1821年にベルリンで初演された歌劇『魔弾の射手』です。身近な森を舞台に、悪魔の弾丸に魂を売る狩人の恐怖と救済を描いたこの作品は、当時の人々の心を鷲掴みにし、熱狂的な大ヒットを記録しました。さらにこの時期、愛する妻への贈り物として、ピアノ器楽曲の傑作『華麗なロンド(ラ・ゲテ)』なども執筆しています。モーツァルトやベートーヴェンでも成し得なかった「ドイツ・ロマン派オペラの確立」という偉業を達成し、ウェーバーの名声はヨーロッパ全土に轟くこととなりました。
【本日のご紹介曲:華麗なロンド(ラ・ゲテ)変ホ長調 Op.62(1819年作曲)】
ドレスデン時代、歌劇『魔弾の射手』の作曲に没頭していた過密スケジュールの合間を縫って書かれた、ピアノ独奏のための傑作です。「ラ・ゲテ(陽気さ、快活さ)」という副題の通り、全編が明るい光と喜びに満ちあふれています。当時、ドレスデンでの地位を確立し、最愛の妻カロリーネとの幸福な家庭生活を送っていたウェーバーの充実した精神状態が、そのまま音になったかのような瑞々しさが魅力です。
【聴きどころ】
1)一度聴いたら耳から離れない、弾むように愛らしいメインテーマ
冒頭から、まるでおもちゃ箱をひっくり返したかのような、軽快で可愛らしいメロディが飛び出します。聴いているだけで自然と心がウキウキしてくるような、抜群の親しみやすさを持っています。
2)これぞピアニスト・ウェーバー!と言わんばかりの超絶技巧
曲が進むにつれて、流麗なアルペジオ(分散和音)や高速のパッセージが鍵盤いっぱいに広がります。ただ難しいだけでなく、聴き手を魅了するための「華やかな演出」としての超絶技巧がふんだんに盛り込まれています。
3)エレガントで上品な貴族のサロンを思わせる雰囲気
華麗なテクニックの応酬でありながら、決して下品にならず、常に洗練された気品が漂っています。19世紀初頭の華やかなサロン文化の薫りを、そのまま現代に伝える名品です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ウェーバー、カール・マリア・フォン:華麗なロンド変ホ長調
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