一日一曲(1816)ルイス、ロバート・ホール:Monophony III

 本日は、生誕100年(1926年4月22日生)を迎えらえた(国名)の作曲家、ロバート・ホール・ルイスさんの曲をご紹介します。

【ロバート・ホール・ルイス:存在の無限の側面を音に刻み、「独立したマキシマリスト」を貫いた音の探究者】
 ロバート・ホール・ルイスは、1926年4月22日、アメリカ合衆国オレゴン州ポートランドに生を受けました 。彼は若くして音楽の道を志し、ロチェスター大学イーストマン音楽学校で学びを深めた後、さらなる研鑽を求めてヨーロッパへ渡ります。1950年代のパリでは伝説的な教育者ナディア・ブーランジェに師事し、さらにウィーンでは新ウィーン楽派の流れを汲むハンス・エーリヒ・アポストルのもとで厳格な十二音技法を習得しました。アポストルから受け継いだその精神は、ルイスの音楽の血肉となっていきます。
 帰国後のルイスは、アメリカ音楽界における「独立したマキシマリスト(Independent Maximalist)」としての地位を確立します。彼は、商業主義的な流行や安易な傾向に流されることを強く拒みました。その背景には、作品に独自のアイデンティティを持たせ、既存の概念を超越した音楽体験を創造したいという強い信念がありました。
教育者としても優れた足跡を残し、ジョンズ・ホプキンス大学ピーボディ音楽院やメリーランド大学などで長年教鞭を執りながら、自らの創作活動も精力的に続けました。彼の音楽は、聴き手を驚かせ、挑発し、時には慰め、刺激を与えることを目的としていました。それは、私たちが生きる世界の「無限の側面」に匹敵するような深みを目指した結果でもあります。
 晩年までその創作意欲が衰えることはなく、1996年9月20日、メリーランド州ボルチモアにて70年の生涯を閉じました 。

【本日のご紹介曲:Monophony III】
 本日のご紹介曲は、1966年に作曲された無伴奏クラリネットのための「Monophony III(モノフォニー III)」です。ルイスが残した独奏楽器のための「モノフォニー」シリーズの中でも、楽器の可能性を極限まで追求した傑作として知られています。
この曲においてルイスは、単一の楽器でありながら、複数の声部が複雑に交差しているかのような錯覚を聴き手に与えます。アポストルから学んだ十二音技法の厳格な構成美を根底に持ちつつ、ドラマチックで色彩豊かな音の響きを創り上げています。

【聴きどころ】
1)独自の「マキシマリスト」精神
 独奏でありながら、驚くほど多様なキャラクターが次々と現れ、スケールの大きな宇宙観を感じさせてくれます。
2)変幻自在な音色と技巧
 クラリネットの広大な音域を駆使し、低域の深みから高域の鋭さまで、楽器の魅力を最大限に引き出しています。
3)予測不能なドラマ
 聴き手を刺激し、挑発するかと思えば、ふと柔らかな響きで包み込むような、一瞬たりとも目が離せない展開が見事です。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ルイス、ロバート・ホール:Monophony III

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