一日一曲(1923)チオフィ、ジュゼッペ:五月の一夜
本日は、没後50年(1976年5月20日没)を迎えられたイタリアの作曲家、ジュゼッペ・チオフィさんの曲をご紹介します。
【ジュゼッペ・チオフィ:20世紀のナポリ大衆音楽を鮮やかに彩り、哀愁漂う旋律からユーモラスな「マッキエッタ(滑稽歌)」まで数々の名曲を生み出したナポレオン・カンツォーネの巨匠】
ジュゼッペ・チオフィ(Giuseppe Cioffi)は、1901年11月3日にイタリアのナポリで生まれました。(※一部のデータベース等では1907年生まれと表記される事例も見られますが、本国イタリアの公式記録では1901年生とされています。)
ナポリの伝統的な音楽環境の中で育ったチオフィは、作曲家および指揮者として活動を開始し、地元のピエディグロッタ音楽祭などを舞台に精力的な作曲活動を展開していきました。特に作詞家ジジ・ピサーノ(Gigi Pisano)とのタッグは有名で、二人はユーモア溢れるコミック・ソングから重厚な抒情歌まで、2000曲近くに及ぶ多彩なカンツォーネを世に送り出しました。
第二次世界大戦の前後にわたってナポリ市民の哀歓に寄り添う親しみやすいメロディを紡ぎ続け、後世のフランコ・コレッリやマリオ・デル・モナコ、ジュゼッペ・ディ・ステファノといった大オペラ歌手たちにも愛唱される普遍的な名曲を遺したことでも知られています。
音楽のインスピレーションの源であった生誕地ナポリにて、生涯を通じてその伝統を守り発展させ続け、1976年5月20日に74歳でその生涯を閉じました。
【本日のご紹介曲:五月の一夜(’Na sera ‘e maggio)】
作詞家ジジ・ピサーノとチオフィの黄金コンビにより1937年に作詞・作曲され、1938年のピエディグロッタ音楽祭にてヴィットリオ・パリージの歌唱で発表されたカンツォーネの名曲です。
普段はユーモラスな「マッキエッタ」を多く手掛けていた二人にとっては珍しい、本格的で哀愁に満ちたラブ・ソングとなっています。第二次世界大戦前夜のナポリからイタリア全土へと急速に広がり、大ヒットを記録しました。
歌詞では、「かつて五月の夜に自分を愛すると誓ってくれた恋人が、今では冷たく心を離れつつある」という失恋の切なさと悲痛な叫びが描かれています。
【聴きどころ】
1)美しくも切ないナポリ調旋律の揺れ動く感情
ナポリ特有の甘美でマイナー調の美しいメロディが印象的です。穏やかな語り口から始まりつつも、過ぎ去った愛への未練と焦燥感が旋律を通じて巧みに描写されています。
2)サビ(サビ部分)における情熱的な感情の発露
「五月のある夜に『はい』と言ってくれたのに、なぜ私を見捨てるのか」と問いかけるサビの部分では、胸を締め付けるような高揚感と情熱的なクライマックスが訪れ、歌い手の表現力が最大限に試されます。
3)大テノール歌手たちによるドラマティックな表現力の競演
ジュゼッペ・ディ・ステファノやマリオ・デル・モナコ、フランコ・コレッリなど、クラシック界の名テノールたちが幅広く取り上げており、オペラティックでスケールの大きな歌唱と重厚なオーケストレーションの響きを楽しむことができます。
本日は、名テノールの一人、フランコ・コレッリの演奏でどうぞ!
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
チオフィ、ジュゼッペ:五月の一夜
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