一日一曲(1909)アルフォンソ、アルマンド:ピアニストの友人たちのための前奏曲集

 本日は、本年(2026年)2月23日に逝去されましたパリ生まれのスペインの作曲家、アルマンド・アルフォンソさんの曲をご紹介します。

【アルマンド・アルフォンソ:パリの洗練とテネリフェの風土を奏で、楽団の発展と後進の育成にその生涯を捧げたマエストロ】
 アルマンド・アルフォンソ(Armando Alfonso)は、1931年9月27日にフランスのパリで生まれました。名指揮者・ピアニストであった父ハビエル・アルフォンソのもとで幼少期から音楽的素養を育み、マドリード高等音楽院にてピアノ、作曲、指揮法を学びました。その後、パリ国立高等音楽院へ留学し、オリヴィエ・メシアンやシャルル・ミュンシュといった20世紀を代表する巨匠たちのもとで研鑽を積みました。1968年にスペインのサンタ・クルス・デ・テネリフェへ拠点を移すと、現在のテネリフェ交響楽団の前身となる管弦楽団の首席指揮者に就任しました。1985年まで同楽団の首席指揮者として管弦楽団の近代化と演奏水準の向上に尽力し、地域の音楽文化の発展に決定的な役割を果たしました。また、サンタ・クルス・デ・テネリフェ高等音楽院の教授として和声学や対位法、作曲法を教え、後進の育成にも情熱を注ぎました。さらに音楽学者としても精力的に活動し、カナリア諸島の音楽史や作曲家に関する貴重な論文や伝記を多数執筆しました。晩年まで音楽への情熱を失うことなく研究と執筆を続け、2026年2月23日、長年暮らしたサンタ・クルス・デ・テネリフェにて94歳でその生涯を閉じました。

【本日のご紹介曲:ピアニストの友人たちのための前奏曲集(Preludios para pianistas amigos)】
 本曲は、1996年から1997年にかけて作曲された全8曲からなるピアノ独奏作品です。自身も優れたピアニストであったアルフォンソが、指揮者として共演した国際的な巨匠から、地元スペインのピアニスト、そして自身の弟子に至るまで、親交の深い8人のピアニストへ1曲ずつ献呈して書き上げました。各曲の献呈先は以下の通りです。

  第1曲 Vivo:ディミトリ・バシュキーロフ(Dimitri Bashkirov)へ献呈
  第2曲 Moderato:ペドロ・エスピノーサ(Pedro Espinosa)へ献呈
  第3曲 Moderato:ソフィア・ブルギニョン(Sophia Bourguignon)へ献呈
  第4曲 Allegro moderato:マリア・テレサ・デ・ロス・アンヘレス(María Teresa de los Ángeles)へ献呈
  第5曲 Andante:ヘスス・アンヘル・ロドリゲス(Jesús Ángel Rodríguez)へ献呈
  第6曲 Moderato:ハビエル・ネグリン(Javier Negrín)へ献呈
  第7曲 Moderato:アンドラーシュ・シフ(András Schiff)へ献呈
  第8曲 Allegro:ホアキン・アチュカロ(Joaquín Achúcarro)へ献呈

 フランス印象派を思わせる色彩豊かな和声と、スペイン伝統音楽の情熱的なリズムが見事に調和しており、それぞれのピアニストとの絆や個性が反映された短くも濃密な世界観を楽しむことができます。

【聴きどころ】
1)献呈先ピアニストたちの個性を映す多様な表情
 バシュキーロフやシフ、アチュカロといった巨匠から自身の弟子であるネグリンまで、友情と情愛が込められた旋律の描き分けが光ります。

2)色彩豊かな和声の移ろい
 メシアンに学んだ経験が息づく繊細で美しい響きと、和声が豊かに変化していく様子を堪能できます。

3)スペイン的リズムと印象派風テイストの融合
 印象派のような透明感のある響きの中に、ふと顔を出すスペイン特有のエキゾチックで歯切れの良いリズムの対比が楽しめます。

 本日の演奏は、第6曲を献呈されたアルフォンソさんのお弟子さんのピアニスト、ハビエル・ネグリンさんの演奏です。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
アルフォンソ、アルマンド:ピアニストの友人たちのための前奏曲集

アルフォンソ、アルマンド:ピアニストの友人たちのための前奏曲集(CD)

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