一日一曲(1880)カプースチン:小二重奏曲
本日はカプースチンさんの月命日ですので、カプースチンさんの作品をご紹介します。
【本日のご紹介曲:小二重奏曲 Op. 156(A Little Duo, Op. 156)】
作曲年:2014年(※添付資料では2015年と表記されている場合もありますが、作品目録等では2014年作曲、2016年録音となっています)
編成:フルートとチェロ
概要:アメリカのフルート奏者イマヌエル・デイヴィスからの依頼・交友をきっかけに書かれた室内楽曲で、カプースチンのフルート作品集アルバム(Naxos 8.579024)において世界初録音されました。カプースチンの室内楽の多くはピアノが重要な役割を担いますが、本作はピアノを含まないデュオ編成となっています。ラヴェルの『ヴァイオリンとチェロのためのソナタ』を想起させるような精妙な対位法と透明感のある響きが特徴的で、カプースチンの全作品の中でも極めて「クラシカル」な整然とした造形美を誇っています。
【聴きどころ】
1)ピアノ不在を感じさせない豊かなテクスチュアと音彩
ピアノという多声・打楽器的な支柱を欠いたフルートとチェロのみの編成でありながら、決して響きが薄く感じられない巧妙な工夫が施されています。低音弦のチェロが巧みな重音やピチカートで強固なリズムの土台を作り、フルートが旋律を鮮やかに飛翔させることで、たった2つの楽器とは思えない密度の濃い空間が生み出されています。
2)拍子感と変則フレーズが生み出すスリリングなリズム交歓
一見すると規則的な拍子の中に組み込まれつつも、フレーズの開始や末尾が小節線と一致しない緻密なシンコペーションが散りばめられています。拍の頭を外した推進力のあるフレーズが2つの楽器間でダイナミックに交わされ、高度なアンサンブルのスリルを楽しんでいただけます。
3)クラシックの厳密な対位法とジャズ・フィーリングの対話
対位法的なポリフォニー(多声構造)によって、2つの楽器が対等にモチーフ(動機)を展開していきます。ジャズの洗練されたコード(和声)感やスウィングするニュアンスを湛えつつも、形式としては厳格な対話が組み上げられていくスリリングな仕上がりとなっています。
本日は本曲の委嘱者の演奏でお楽しみください!
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
カプースチン:小二重奏曲
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